毎日映画を観ることは出来なくとも、少なくとも三日に一本は観るようにしております、わたびきです。趣味ともいえる!
オススメ映画のひとつやふたつあるだろうと、友人にせっつかれて書いているこのコーナー。第一弾は「キック・アス」
同名のアメコミを映画化した…という経歴を持ち、はっきり言って流血沙汰が苦手な方には全力でオススメ出来ません。ゴア表現どんとこい、俺ァ女といえば可愛くないロリと、クソビッチしか出てこない上に、ほどよく塩加減の聞いた、あくまでも涙あり笑いありの娯楽映画が大好きだ!という方には全身全霊でオススメしていきたい。
ニッチ。
そもそもキック・アスというアメコミ作品は、スーパーヒーローへのアンチテーゼとしてのゴア表現があり、斬れば血は出る、殴れば折れる、撃たれれば死ぬといった、当たり前の表現が当たり前として描かれている「スーパーヒーローもの」なので、その辺は映画もバッチリカバーしています。
ネタバレ部分は書きませんが、ごくごく普通の高校に通うひとりの冴えないヲタ眼鏡童貞高校生が、アホみたいに強い仮面ロリと組んで、スーパーヒーローを目指す話です。
何を言っているかさっぱりわからない、と思われるでしょう。ごくごく普通の高校生がある日突然スーパーヒーローになれるわけが無いのです。なれると考えているのなら、そいつは頭がおかしいと映画冒頭でも語られています。そして、なれるわけがない、というところにこの映画の面白さがギュギュッと詰まっています。
この主人公は最初から最後まで、ヲタで眼鏡で冴えない高校生です。しかし、ヒーローになれなかったのかというと、そうではない。
知ってる。誰かのヒーローってやつでしょ?知ってんだよそんなの、みんなのヒーローにはなれなかったかもしれないけど、誰かひとりのヒーローになったんだよ、ワイは詳しいんや。……そこはノンノン、プレスリーの楽曲に合わせたカッコ良さ3割カッコ悪さ9割、合計12割のなんだか微妙な気持ちになる必殺技をおみまいしていく様は、間違いなくヒーロー。
あんなカッコ悪いプレスリーの使い方初めて。
じゃあ、ずっと高校生のカッコ悪いヒーローごっこを観なきゃなんねーのかというとそうではなく、ホンモノが出てきます。
ホンモノは街の平和を守りたいとか、そういう意図で戦っているわけではなさげな、ただただ淡々とヒーロー業をやってのけている、ロリとロリの父。ホンモノはかくありたい、と思わせる何かがそこにあるわけです。
ニセモノのヒーローはSNSのフォロワーが増えて嬉しいけど、友達にあれ俺自分と言えないことが辛いわけで、ホンモノとは少し悩みの質が違う。いや、だいぶか。
ホンモノがニセモノを歯牙にかけるわけない、と思いきや、ホンモノはどっちかいうと面白がって、というか、ニセモノのケツ拭きをしなくちゃならない。このホンモノのロリの可愛げの無さたるや、挨拶がわり、コミュニケーション代わりの放送禁止用語を連発するロリなわけですが、一周二周回ってめちゃくちゃ可愛い。
中身も可愛い。めちゃ美少女。
美少女ロリが放送禁止用語を連発しながら、ゴアい戦闘をやる、というだけでそのスジが大好きな方には堪らないと思うのですが、同時に先のヲタ眼鏡童貞ヒーローもどきの炸裂した童貞ぶりが、あなたの心の童貞をガンガンと殴ってきて、時々顔を覆いたくなるわけです。自分がいたたまれない。そういう映画です、これ。
ゴア表現があってロリが出てきて、ヒーロー的な存在もいて、勧善懲悪的な敵もいるメジャーどころ。なんとなくレオンを思い出したのですが、あれは女なのか子供なのか、はたまた親代わりなのか寂しい男なのか、というスレッスレの恋愛模様みたいなのがあったような気がします。
私の中のレオンというと、敵のスタンスフィールドに始まり、スタンスフィールドに終わっていく残念な感じですが、涙を堪えながら銃を持つマチルダの、内面の強さと裏腹にある、可憐さと危なっかしさと脆さに心打たれたものです。
牛乳飲みたい。
レオンと、このキック・アスは「ある意味、似たシチュエーションと言えるシーン」が出てきます。キック・アスにも、もちろん悲壮感はあるのですが、彼女はホンモノのヒーロー。涙は見せないのです。
堪える、でも少し違う意味合いがあると思うので、強くてカッコいいロリを観てみたい人はチェックしてみてください。
あ、その際には自分の中の童貞心をオープンにした方がいいです。いたたまれない、いたたまれない!と、のたうちまわりながら観るのが最高に面白いです。
わたびき的にオススメの時間帯:19時ごろ
オススメのスナック:オレンジジュースとポップコーン